クランクベイト

クランクベイトはリップで水を受けているのウソ

クランクはリップで水を受けて潜っていると考えられておりますが、実はそれだけでは間違いになります。クランクベイトのリップが受けた水はどこに逃げているかを考えると、自ずと答えは見えてまいります。

クランクベイトのリップが受けた水は、実はクランクの背中へ向けて流れます。この際、背中に水流が行かず、左右にわかれることでクランクが左右にお尻を振るわけです。この水流が生まれず、100%背中にのみ水が当たれば、クランクは頭を下げた姿勢のまま一切動くことなくグングン潜ることになります。このリップから背中に当たる水流をどの程度にするかがクランクの動きと潜行深度を決めるわけです。ですので、リップの形状、大きさだけではクランクの動きは推測できないのです。

また、アメリカではバイブレーションプラグのことを「リップレスクランク」と呼びます。向こうでも通じないことはないでしょうが、リップレスクランクといった方が通りがいいので、ぜひ後者をお使いいただければと思うのですが、これは文字通り、リップのないクランクという意味でして、バイブレーションもアメリカではクランクの一種なんですね。ではなぜこんな分類をされているかといいますと、バイブレーションもクランクベイト同様に「背中に水を受けて」潜るから。フローティングタイプのバイブレーションは最近見かけなくなりましたが、これらは巻くと頭を下げて潜ります。仕組み的にはリップがないだけで立派なクランクなんですね。

リップレスクランクの世界的代表選手「スーパースポット」

リップレスクランクの世界的代表選手「スーパースポット」

また、最近はあまり見かけなくなりましたが、シャッドというルアーもかつては大変好まれました。CCシャッドの名で親しまれたコットンコーデルのシャッド(CCはCotton Cordellの頭文字ですね)は、バイブレーションにリップをつけたようなルアーで、動きと潜行深度の両立を目指した結果、30年前のバスシーンでは持っていないとクリアレイクで痛い目を見ると語られるほどのウイニングルアーでした。

簡単に3種類背中で水を受けて潜るルアーを紹介しましたが、こういったルアーの工学的な話はあまりなされていないように思います。ややもすれば、リアルフィニッシュだとか、イミテーションだとかいいはじめる昨今のルアー業界にはウンザリいたします。ろくすっぽ動かないから、海外メーカーの後追い、パクリだとバレるから、こういったテクニカルな部分は語らず、同時に海外ルアーの話もしないのでしょう。なんとも情けない。一体どこがものづくり大国日本なのか、と。

この記事を読んで雨龍テメエ、このやろう!という人がひとりでもふたりでも現れ、国産の作者の意図が一目でわかるような非の打ちどころのないディープダイバー(ディープクランク)がぞくぞく出てくることを20年前から願っております。

 国産のミドルレンジクランクですら不満を感じるものが多く、信頼できる製品はごくごく僅か。いい商品を手間暇かけて作るより、宣伝広告費用に割いた方が利益があがるとはいえ、なんとも悲しいことです。価値のわかる人は少数。さらに水中の動きは釣り人には見えないとくるこれらルアーは、これからも内容より見栄えや宣伝力で売っていくのでしょうか。そんな中で、個人的に信頼できるルアーをご紹介いたしました。レアリスはボーマーのファットフリーやファットAがなかなか手に入らない国産市場での代用品扱いで申し訳ないのですが……。

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