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どうして同じようなルアーを出すの?

ペンシルポッパー C66 

デッドコピー品や、国内のペイントは丁寧だけど某ルアーとコンセプトはまったく同じだよね……という模造ルアーの批判話のみをするのではありません。皆さんはプラドコ社をご存知でしょうか。アメリカンルアーといえば「プラドコ」といえるほどのビッグメーカーがこのプラドコです。プラドコはヘドンにボーマー、コットンコーデル……と、単体でもビッグメーカーがくっついてできたルアーメーカーで、日本でいえばシマノとダイワがくっついたようなもの。そんなスーパーメーカーが合併したにも関わらず、どうして社内で同じようなルアーをいくつも出すのかというお話です。

冒頭の画像はコットンコーデル社のペンシルポッパー。これもプラドコ傘下のメーカーの歴史あるスーパーランカーキラーです。元々はGT用のルアーだったのですが、これがまた50を超えるランカーにとってはベストサイズらしく、とにかくグラス周りで強い。名前はペンシルポッパーで、オープンカップマウスを備えていますが、細かい分類でいけば「スプラッシャー(水をはじき飛ばすもの)」になります。

チャギングスプーク

一方でこちらはチャギングスプーク。サーディンカラーが大好きなのでわざわざバスにソルトウォーター用限定カラーを使う私ですが、こちらはかのヘドン社から出された新作のペンシルポッパーです。どうして同じようなルアーを出すのか。同じプラドコ傘下なのに競い合っているのか?ケンカ腰でやりあっていて、一枚岩ではないのでしょうか。

答えはNOです。同じペンシルポッパー(スプラッシャー)タイプをぶつけあってシェアを食い合うのではなく、それぞれにこのルアーでなければできないことというものがしっかり備わっているわけです。同じ会社の傘下にあるということは、同じ製造ラインを使うわけで、個人的なケンカでラインを奪い合われてはたまりません。同じ性能であれば売れない方は要らないと合理的に判断するのがアメリカです。このふたつを比較した場合、第一にペンシルポッパーは浮き角があるということ。ソルトで人気の立ち浮きタイプで、アクション自体は地味。動かしていて楽しいかといえばそうではありません。しかし、そのために同じ箇所をチョンチョンと叩いて水を飛ばしてみたりといったことができます。

一方でチャギングスプークはテーブルターンが得意。元々ザラシリーズのスーパースプークの頭にマウスをつけたらどうなるか?というところからスタートしていますので、弱めのスケーティングアクションにマウスからのスプラッシュ、ポッパー音が加えられているのです。アクション的にはこちらがバスルアーの王道で、汎用性は高いといえます。広く動かして探るなら断然こちらということになるでしょう。

店頭でルアーを見比べれば、同じような形だから同じアクションだろうと考えがちですが、使ってみればまるで違う。そこにルアービルダーの魂が感じられることと思います。日本のルアーにはそれが乏しい。どこそこのルアーが釣れる(売れるといった方が正しい)から、それに怒られない範囲で似せようというものばかり。このことに気づいているフィッシャーマンはいいルアーを開発したりしているようですが、いかんせん世間では流行りません。ファッションフィッシングから脱却するためにも、消費者には魂(どうしてそんなものを作ったのか)を見抜く目を養ってもらいたいのですが……

説教臭くなったので今回はこの辺で。自分でどうしてこのルアーが生まれたのかを想像するというのも、自身の釣りを成長させるのに大いに役立つことです。釣りに行けない日はあれこれ思案を巡らせるのもいいでしょう。

 

 

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