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ミノー(ジャークベイト)のラインの太さについて
ミノーのアクションとラインのポンド数の関係性
普段、25〜30ポンドのラインを使い、絶対にラインは太くあるべきだという私も、ちょっとだけ弱気になるルアーがあります。それが、ジャークベイト。つまり、ミノーです。そのなかでも一番繊細なのがサスペンドミノー。これはラインの太さが違うだけで、簡単にサスペンドさせられなくなったりします。もっとも水温でサスペンドしなくなるルアーですので、不確定要素が大き過ぎることからあまり使うこともないのですが、サスペンドミノーが好きだという方には水温同様、ラインの太さ、重さは由々しき問題だと思います。一方、特に問題とならないのがシンキングミノーで、こちらは太くて構いません。とはいえ、太いナイロンだと沈む速度が遅くなります。シンキングミノーを目的の棚まで素早く落としたいときには、ライン径の細いPEなどがおすすめです。
(PE使用時はスピニングタックルが前提になります)
ただ、私が一番多用するジャーキング用のベイトタックルとフローティングミノーの組み合わせも、シンキングミノー同様にラインの太さが露骨にアクションに影響することがあるので、少々ナーバスになってしまうわけです。
フローティングのジャークベイトのなかでも、ボーマーのロングAや、ウインドチーターなどはそこまで厳密に気にしなくても構わないのですが、コットンコーデルやスミスウィックのプラグはものによってはラインの問題で動かないことがあります。それでもアメリカのルアーは太いラインで使われることを前提としているのでまだマシで、致命的なのが国産のルアーたちです。まず、太いラインだと飛びません。太いラインの水の抵抗でまともにジャークできず、ラインに引っ張られて前進したり、沈んでしまうので、「キル」と呼ばれるピタっと止めるアクションがつけられない。これではもうゲームが成立しません。
国産ミノーのために専用タックルを構えて、太くて12ポンド、動きをよくするために8ポンドのラインをベイトに巻くなんて愚行は犯したくないので、こういうルアーはどんなに釣れたとしても、自然と私のタックルボックスからは自然と外されていきます。
国産ミノーはラインの太さから見ればスピニング用です。ただ、スピニングタックルではジャークは難しい。パワースピンといって、ミドルクラスの硬さでファストアクションのロッドに大きい番手のスピニングリールをつけるということもできますが、それをやるとノーシンカーやライトリグ用のスピニングとあわせて2本スピニングタックルが必要になります。これもまた面倒です。小規模水系、野池などで一本で済ませたい、ビッグサイズはあまり望めない場所であれば、スピニング2本、国産ミノーということもありますが、結構用途が限定されてしまいます。スピニングゲームはそれはそれでおもしろいんですけどね。ミノーに加えて極小スピナーベイトを投げたりできますから。ちょっと味わいの違うゲームになります。
結局、アメリカンジャークベイトに落ち着くが
こうしてベイトで扱えることと、ラインが太くてもアクションが安定することから、アメリカのジャークベイトに帰ってくるわけですが、それでもラインを細くしたくなる衝動にかられることは、ままあります。例えば春先にデッドスティックといって、水が冷たすぎて動きが鈍い小魚のアクションをつけたいとき、ラインが太いせいで止まり切らなかったり、冬〜春特有の強い風が吹いていてラインが水面上を流れていくときは16ポンドくらいまで下げることもあります。主な使い所は風裏になっている一面のアシ原を叩くときなどで、あまりハードなカバーに打ち込んだりしないので、こういう場面に限り、16ポンド程度でも十分なため、アクション重視でラインを細くします。
また、秋などによく発生する完全にクリアのオープンウォーターでベイト玉が水面近くにいて、その下にバスが待機しているような状況なら、16ポンドのラインでボーマーのロングA・14Aを投げることもあります。リザーバーなどに多いですが、ベイトを追い回してナブラが発生しているけれど、透明度が高すぎて近づけない感じなら、遠投性能を加味して小さいミノーを投げやすい16ポンドにするわけです。
どちらにしても、ハードな障害物がないからこそできるもので、ブッシュや立木が絡む、アマモなどがベッド状に固まっているような場所ではもっと太い、20、22、25ポンドを使います。私にとっては、魚を掛けることより、掛けて取れない方が問題ですからね。
ジャークベイトには適正なラインの太さが存在する
案外知られていないことですが、ミノーのなかでもジャークベイトには特に、ラインの太さに適正というものがあります。既に述べたとおり、これを超えると水の抵抗でルアーを動かしにくくはなりますが、細すぎても動きが悪くなる傾向にあります。ナイロンラインで顕著ですけれども、ラインが太ければアクションをダイレクトに伝えることができ、反対に細過ぎるとラインの伸びがあるためにアクションにキレがなくなります。ジャーキングは鋭い動きとキルによって魚を誘うわけですから、ダルい動きになってもらっては困るわけです。太ければ水の抵抗が増し、細ければ伸びる。フロロだと沈んで引っ張られてしまい、PEだと扱いにくい(動きが硬くなり過ぎる)。ちょっと手間ですが、使うジャークベイトにあわせて適正な太さのナイロンラインを探してセッティングするのがベストでしょう。
ミノーとラインの太さまとめ
長々と書きましたが、ここまでの話をまとめると、
- ラインが太すぎてルアーが動かせない、止まらないなら細くする
- ハードなカバー、ストラクチャーがなければ細くしてもよい
- ジャークベイトには適正なラインの太さがある
ということになります。
ぜひ参考にしてみてください。
ミノーにおすすめできる国内ナイロンライン
私がよく使う3/8oz〜1/2ozのジャークベイトに適したラインの太さは、16ポンドクラスを基準と考えています。私の場合は通常、ここより上の太さを使いますが、太いラインに抵抗がある方や、使うルアーによってどうしても動かなくなってしまう場合は16ないし14ポンドを使ってみてください。
シルバースレッドは安価でありながら灰色っぽい銀色で、曇りの日や光量が少ないときに視認性を落とせるとして使われることが多いラインです。アメリカのプロも愛用しています。国産ではアプロードが有名でしょうか。ウルトラGT-Rシリーズが人気ですが、私が使うのは断然ピンクです。ジャークベイトはロッドに出ないアタリが半分以上ともいわれていて、派手なルアーが消えた瞬間にあわせる、派手なラインが震えた瞬間にあわせるという釣りが必要になるからです。魚に見えないことより、人間に見えないことのほうがデメリットになるので、蛍光イエローや蛍光ピンクのラインを多用します。
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