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OFT社(オフト)廃業について思うこと

OFT社廃業について思うこと

 

「今年のオフトのカタログが出ないねぇ」などとささやかれていたオフト社。あれは2016年でしたか。はやいものです。

 

このたびの廃業に伴い、事業の一部をSMITH社(スミス)に移管したと聞いております。いずれも輸入釣具メーカーで知られますが、ああ、やはりそういう時期がきたのかと。へドンを筆頭に、ボーマー、コットンコーデル、バグリーまでプラドコ傘下にある現在、出口が輸入釣具の道はおもしろくないんです。すべて同じ窓口で対応されてしまう以上、各社各様の味を尊重した、ローカライズ(日本用の)されたルアーカラーなどは望むべくもありません。オフトさんが考えれば、スミスさんだって考える。でも、窓口はひとつ。出てくるものはほぼ同じ。もちろん、外からの意見です。社内がどうであったかは断片的にしかわからないので、外の人間としてしか語ることはできません。

 

私はシマノの釣具を中心に使うので、シマノの人と思われがちですが、グローブライド、つまりダイワやアブガルシア(ピュアフィッシングジャパン)なども愛しておりますが、このたびオフトさんがスミスさんに業務移管ということで、プラドコの日本窓口とグローブライドがくっついてしまいそうです。シマノ原理主義者のアメリカンルアーマニアは苦渋の選択を迫られるかもしれません。そんな原理主義、とっとと宗主替えしろよ、とも思いますけれどね。

 

OFTさんと池原

 

 

いま、OFTさんの思い出を語るのは簡単ですが、私としては池原とフロリダラージマウスバスの話をしておこうと思います。池原がバスレイクとなったのは、OFTさんの努力です。もちろん、自治体、漁協の尽力もあります。そして、バスに対する逆風は留まるところを知らず、かつてに比べて弱まっているように見えるのは、バス釣り自体が下火になり強く吹かずとも消し飛びそうだからです。

 

外来生物法下にあって、バスは悪しき生き物とされます。しかし、あの60ラッシュ前夜、もしくは最初期の池原の風景は、紛れもなく本物でした。悪しき生物のために訪れた池原は、何ひとつ虚飾のない、本物の日本であり、日本人の心の原型すら通り越して、はるか古代の、見知らぬ世界の見知らぬ土地の美しさを持っていました。

 

もちろん、いまでもそうでしょう。あの爪先や腹の底から湧き上がってくる得体の知れない不思議な熱量は、八丈島や御蔵島、北海道の原野、四国九州の山中、隠岐や佐渡でも感じることはありませんでした。これらの土地にもそれぞれに、湧き上がる熱はある。しかし池原には、ここに並べたどこよりもその熱をたぎらせるなにかがあるんです。それを、悪しき生物のために訪れなければ知ることはなかったということです。

 

「ブラックバスは悪い魚だ」ということにするとして、だったら、その悪魚のために訪れた池原の風景から生まれる熱量も、悪なのか。あれは嘘やまやかしか。そんなことはないということは、池原を知っているかたならわかることと存じます。

 

悪魚と日本の自然、これは本来交わることのないことです。日本の生態系、積み上げてきた自然を破壊するのですから。しかし、池原を見れば、そう単純ではないことがわかります。この葛藤と感動を知っている者にしか、真の生態系の保護の道は歩めないとまで思います。どちらの肩も持ちたいし、持てない。片方の肩を持つことしかできない、釣り人でも、環境保護原理主義者でもない、第三の道に苦悩するからこそ、真剣に生態系を考えられるのではないかと思うのです。

 

オフトさんは日本のバスゲームシーンに大きな足跡を残しました。ただ、生態系の問題も置き土産に解散しました。いま私が思うのは、このことを現行法に照らして「悪」と断ずるのではなく、これから我々釣り人が、利権や信仰を超えて、環境の保護を考えるための教本とすべきだということです。

 

引き継ぐべきは業務や伝統だけではないかもしれない、ということです。

 

今日も最後までお読みいただいてありがとうございました。オフトさんのルアーではボーマーロングAのOFTの5番。オレンジバックプリズム(中にカードダスなんかで知られるキラカードの素材を貼った反射板が入っている)が好きでした。あれのボーマーファットA(ノンラトル)版が出ないものかなと思っていましたが、残念です。

 

【追伸】

※オフトさんがフロリダバスを池原に入れたころは外来生物の法律はなく、違法ではありません。念のため

※※すでにスクリューテールグラブなどはスミスさんのブランドで売られているようですね。あとはルアーレスキューがどうなるか……

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