フィッシングコラム

バス釣りでPE、フロロラインはナイロンより釣れる?

30年以上バス釣りの世界にいて、PEラインの方がナイロンより釣れることに気がついた。なんていってるプロがいる。大概、ルアーメーカーの手先ですが、大家だ大御所だといわれれば、なるほどそうかと誰もが思う。しかし待ってほしい。本当にそんなことがあるのか。またぞろ湧いてきた、PEやフロロを売りたい連中の間違いをお話いたします。

PEやフロロをバス釣りで「使わない」理由について

釣り糸はなぜ複数種類の素材があるのか。それは、適材適所だから。といわれている。じゃあ、私がナイロンラインしか使わないのはなぜか。それがバスゲーム、こと一般人の釣りにおいては最適だからに他ならない。そこにPEやフロロが入ってくる余地はない。プロ仕様だとかなんだとかはまやかしで、色々買わせたい側のつまらない妄言に過ぎない。

 

バスマンで「PEってすごいんだぜ!ナイロンとかいってる奴はバカだね!」なんて話をしている人がいたら、その人はバスしかしない人間。他の魚種に全力でぶつかったことのない釣り人なので、いかに大御所を気取ったところでバスへのアプローチしかわからない。釣りの幅が狭いと考えられる。他の魚種でのアプローチがバスに効くことだって少なくないわけで、攻め方や仕掛け、考え方といった部分に深みのないバス専門家は、悲しいかな浅学だ。そんな狭い世界観でラインの種類が本当に理解できているのだろうか。

 

さて、悪口はここまでにして、なぜ私がPEを使わないのか。それは単純にPEはラインがたるむと感度を伝えないからにほかならない。本当に慣れたタックルにナイロンを巻いてヘビキャロを投げると、目で見えなくても水の流れが変わっている場所がわかることがある。リザーバーの岬付近でよくあるが、ここだけラインが途中で引っ張って行かれるなと感じられたりする。これはナイロンが太いことと、軽いこと、そしてたるんでいても当たりを伝えるという特性によるもの。

 

フロロラインの持つ意外な弱点

一方フロロは重い。ワームの釣りで活躍するといわれるが、一般的なアングラーにとっては大嘘といっていい。スーパースローな釣りだと、フロロは自身の重さで着底してしまう。結果、湖底にべったり張り付いて、ルアーからの情報を伝えない。加えてハードなボトムでヘビキャロをやったりした日には、フロロは半日でダメになる。200も投げたらまずいんじゃないか?なんてものもある。ではなぜこんなにもてはやされるのか。それは、バスプロはボートから岸に向かってルアーを投げるから。岸側が一番浅いのは承知の通り。一方、沖は深い。だから、ボートから投げるぶんにはフロロがあまり着底しないわけ。陸っぱりのアングラーは浅い方から深い方に投げるから、ずーっと着底しっぱなし。これでは当たりもわからないし、すぐに傷がつく。スレに弱く、すぐに枝毛のように裂けるフロロなど使っていられない。バスプロのように宣伝していればタダで糸をもらえたり、タックルを20、30も持ってポイントを移動できない一般バサーは、フロロの釣りは事実上できない。また、フロロでトップウォーターなんてもってのほかだと思う。アクションが糸の重みで縮こまり、キル(kill)といってピタリと止められずにスルスルとルアーが前進してきてしまう。私の大好きなPOP-Rの7gのような軽いルアーでは特に顕著だ。ちょっとこれでは点の釣りには向かない。

 

PEラインはバス釣りでは限定的な存在

PEはジギングなどの糸が常時張っている垂直方向の釣りには劇的な効果を生みだすが、安易にベイトに巻いていいものではないし、陸っぱりではそんな釣りはまず起こり得ない。私は真冬と真夏の日中、スピニングリールにPEを巻いて沖でホプキンス(伝統的なメタルジグ)を垂直に垂らしたりするけれど、そういう状況専用の釣り糸と考えるべきで、常時持ち込むタイプのラインではないと考えている。

 

ナイロンは飛ばないといわれるが

ナイロンラインは太くなりがちでルアーが飛ばないから嫌だという声もある。しかし、バスゲームでは30m投げられれば十分。実をいうと、ほとんどのアングラーはそんな距離でアタリはまずとれない。さらに言えば、50m飛ばせたところで思ったところにルアーを落とせるだろうか?私は一番練習していた時期でもベイトでは50mでの誤差が60cm以内といったところ。ピンポイントに攻められているとはとても言い難い(15mなら空き缶にも当てられる)で、魚がかかるのはほとんど20m以内での話。だとすればそこまで遠くまで飛ばす必要なんてないし、飛んだところで釣りにならない。陸からボートのアドバンテージに勝とうとしても土台無理な話。そんなところで張り合って、陸から獲れる魚まで逃したのでは笑い話にもならない。

 

太くて飛ばなくても問題はないのだ。そして隣の芝は青く見えるものでもある。魚より先に、メーカーやプロに釣られないでほしいと思う。

 

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