ソフトベイト

活性が低いときはスモールワームのウソ

低活性時の攻略法として、小さいワームを投げなさいというものがあります。これは魚釣りの原理原則に反しているわけで、てんでダメと断言してもいいでしょう。釣りに絶対はありませんし、諸々条件が整って、小さいワームが釣れることもないこともないのですが(後述します)、とりあえずはまるでダメと断言しておくことにします。

 

小さいワームが釣れないときに効くと信じている人は、エサ釣りをしたことがない人でしょう。小アジのサビキ釣りなどは、群れに当たればオキアミがどんなに小さくても、オキアミどころかビニールテープでも釣れるのです。逆に、ヘラブナ釣りでまるで釣れないときは、ダンゴを大きくつける。バラけをよくして広範囲に魚を呼んでみたり、何度も何度も同じところにダンゴを打つ。これでわかるように、釣れないときほど豪華にやるのが釣りの原則です。しかし、釣れなければもったいなく感じて、ミミズやゴカイを小さくちぎって針に刺してしまうため、多くの釣り人が自らの首を絞めてボウズになるんですね。この病は致命的です。小さい方が警戒心を抱きにくいだろうという人間の都合、思い込みは簡単には治りません。ここでは、そんなあなたの頭を揺さぶるお話をしたいと思います。

 

小さいことはいいことか

エサ釣りの例を挙げましたが、バス釣りだって同じです。皆さんはワームがなくなるほどバスを釣った経験はおありでしょうか。ワームといっても、タックルボックスに入っている使いさしの5〜6本を使いきってしまった……という話ではありません。封も切っていないワームのパッケージを3袋、4袋と使い切るほどバスがかかった経験はありますか?

 

自慢じゃないですが、私はあります。ええ、自慢ですがね。今はなきシマノのスコーピオングラブのパールホワイト。これはテールが簡単に切れてしまうので、1本釣るごとに交換の世界。爆発的に釣れました。投げれば即ヒット。あとはスライダーワーム。これも本当によく釣れました。密閉容器に旨味調味料(アミノ酸)とサナギ粉で漬けた5年モノ。これが30本以上吹き飛ぶほど釣れました。2人で釣りに行き、70〜80本はかけたはずです。このスライダーワームは、ちぎれてしまった残りでもまだバスが釣れました。投げれば釣れる。それが高活性時。低活性のときに同じように傷ついたワームを投げてみてください。隣で綺麗なワームを投げている人がいれば、釣果に明確な差が出ますから。

 

では本題。小さいワームが食欲を刺激するなんてことがあるだろうか。ちょっと考えてみればわかること。テーブルの上に1切れのたくあんが乗っているのと、豪勢なハンバーグステーキが乗っているのと、あなたの食欲を刺激するのはどちらでしょうか。テレビのグルメ番組で、デカ盛り特集ばかりなされるのはなぜか。小さい方が食欲を刺激するなら、ひと口、ふた口で食事が終わるようなグルメ番組の方が数字がとれそうなものなのに。警戒心を解き、思考力を低下させるのは少量と大量のどちらだろうか。バイキングが人間のタガを外してしまうことを考えれば、自ずと答えは見えてくるのではないか。

 

釣れないときの対処法としての小ささ

では、小さいことは絶対的に悪いことかといえば、そうではありません。ワームが大きすぎて、アタリはあるのに乗らない。ビッグワームには大きなフックが必要ですから、フックが大きすぎて飲みこめないということもあるでしょう。そんなときに、ワームサイズを下げるのです。「釣れないときに小さいワーム」とは、こういう状況を指すものであって、魚の反応もないときの必殺技や、初手から小さいワーム投げれば確実じゃん!なんて裏技ではありえないのです。

 

どうしてこんなことになってしまったのか。ルアーゲームしかやらないという人が多いことが一点、もう一点は釣り人による伝言ゲームで「小さい=釣れる」となってしまったと想像できます。もっとも、少し頭を捻れば、いや、おかしいぞ?と思う人間が出てきてもいいのですが、そうはならないあたりが「知識偏重」や「冒険心のなさ」の表れのように思います。野を往き、湖上を走る遊びをしているのに、なんと消極的でつまらないことか。

 

ワームを小さくすることは簡単です。ちぎればいいんですから。どうせ店頭で3インチも4インチも、場合によっては6インチも同じ値段と内容量なんですから、大きいのを買いましょう。小さいのを買えば買うほどメーカーの思う壺というものです。

なお、何十本というバスを釣るのに、同様にワームを破損し、ゴミにするという経験が、今の私のソフトベイトから一歩引いた考え方を生み出しているんですよね。いい時代だったともいえますが、酷い時代でもありました。そんな無茶苦茶な釣りを知っている世代だからこそ、実利(釣果)も備えた環境を考えた釣りを提案していきたいと思います。

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