善悪なき環境保護 〜奴らもみんな生きている〜 

第1章 人と環境負荷

人は誰しもグレーゾーン

人間が最大の侵略的外来生物

そしてホモ・サピエンスが生き残った

美しい里山という、闇

嘘の伝統

縄文人にいってくれ!

コメという最悪の外来種(ムギとコメは最高で最低な植物

品種改良という悪夢(遺伝子操作となにが違うの?

雑食という恐ろしさ

 

第2章 連れてこられた外来生物

かわいいかわいいアルパカ・スリ

ブラックバスは誰が連れてきたか

ブルーギルは誰が連れてきたか

ヤシの木一本あったとさ

人の移動がすべてを壊す

そんな環境破壊を賢く生きる動物もいる

自然はそんなにヤワじゃない

 

第3章 環境保護は正義なのだろうか

正義の発露としての環境保護

それは正義と書かれた免罪符
外来種の駆除か、お前の駆除か
悪人退治ほど気もちのいいことはない(正義の大暴走)

 

ハトは食える限り無限に増える編

可哀想なネコは今日も人の手によって生み出される
たった数人の意見がバズれば世界を支配する
白人は個人主義?(同調圧力は日本だけのものじゃない)
クジラと日本人
日本人は意地汚い?
犬や猫は食べちゃダメ?
キリスト教が格差を産んだ?(よい行いがよい結果を生むとは限らない)
大人道主義者もそうだった
マジュリ島の美しき環境破壊
思想のグローバリズムは正しいことか

 

魚を愛する人編

ブラックバスは悪魚か
絶滅危惧種も平気で食べてしまう国に生まれて
新参者はいじめられる
絶滅危惧種なのに、ウヨウヨいる?! 〜少なくなると、欲しくなる〜
釣り人より水系を知らない人に環境保全はできるのか
フィールドにゴミを捨てるなは無駄な努力でしかない
漁師は悪人か 食うために増やす矛盾
研究機関は悪か 在来種保護ビジネスは問いかける

 

環境保護とお金編

人間は利便性、経済性の と・り・こ
足元に忍び寄るゴキブリ科のアイツ
それでもカメは増え続ける
経済性で保全できるなら、それでいいじゃない
親水公園という画一的な存在からわかること
じゃあ、堤防、護岸工事、盛り土切り土なしで暮らせるか……?
イルカショーとセーリング
自己実現や、他者批判としての環境保護をのさばらせてはいけない
われわれは、清濁飲み込んだ環境保護で前進する

 

第4章 未来への遺産

まもるために殺すことは正しいか

すべての釣りは課金制になるべきだ 〜すべての自然を味わう趣味への提言〜

最後は個人的善悪に帰着するのだろうか

 

あとがき・執筆担当の解説

 

「正義か悪かの二元論ではない」

善行をすれば、世の中がよくなるとは限らない(M.ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』のように、プロテスタントは神への奉仕を善とし、お金を受け取り、使うことを悪とした。彼ら敬虔なクリスチャンは貧困を減らし、世界をしあわせにしょうと、対価を受け取らないか、タダのような値段で世界に奉仕した。その結果、対価として受け取られるべき富が行き場をなくし、蓄財されていくという矛盾が発生した。こうして富や財が増えていった結果、行き場を失った金が、現在の「資本主義」を生んでしまった。彼らは業突く張りな資本主義社会が欲しくて、奉仕の心を持ち、善行を積んだわけではない。世界をキリスト教の力で幸福にしたいと願ったにすぎない。しかしながら、結果はまったく、彼らの望んだ世界とは違う怪物を生んでしまったのである。いいと思われることをすれば、世の中がいい方向へ向かうとは限らない。もっとも望まない方向へひた走る可能性もあることを知っておいてほしい。

程度の差はあれ、すべての人間が環境に負荷を与える。なんらかの命を奪い、二酸化炭素を吐いている。草花を愛でるガーデナーは自然を閉じ込め自己都合で遺伝子操作を繰り返す。ケチャップや缶詰のためにトマトは今日も改良され続け、嘘と奴隷的労働で商品になって、我々の口へ飛び込んでくる。そんな世界に生きていて、正しい人間などというものがあるのかどうか。これは人間だからこそ起こる罪、というわけでもない。根源的に、正しい動物というものがあるのだろうか。それは人間は高度に発達した頭脳を持っているという幻想ではないのか。自然に無駄はない。しかしながら、自然は優しくない。勝つものが正しく、敗れるものは間違っている。それが自然の掟だ。ただ、人間は自然ほど賢いわけではないのかもしれないから、注意が必要だ。正しいと信じられる環境保護は、本当に正しいのだろうか。プロテスタントたちは望まぬものを生み出した。歴史は「人間はバカだ」と語っている。

一度人間が壊したものを、人間が慌てて修復し、二重の破壊を引き起こしてはならない。

こんなバカな私でも、それくらいはわかっていたい。いま改めて強く思う。

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