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延べ竿バスクラブ発足につきまして(追記中

延べ竿バスクラブ要旨

とても長くなってしまったので、「延べ竿バスクラブ」を考えた理由を完結にまとめました。

  1. 環境保護も釣り禁止も起こさないための、これからのバス釣りの形だから
  2. マナーアップではなく、マナーが守れる人だけが釣りができる環境にするしかない
  3. エサ釣り、延べ竿釣りはルアーとは違う深みを持っている
  4. 専用池や会員制活動をはじめた、準備中の方、ぜひご一報ください

 

そのほかは以下をお読みください。説教くさいので読まなくても別に構いません。延べ竿でエサやスプーンといった簡単なルアーで釣りをするという会だということです。また、会員制のバス釣り池をはじめたとか、個人で池を買い上げたという方は、ウチはこんなことしてます!とお教えいただければ幸いです。

(継続工事中)

なぜいま延べ竿でバス釣りなのか

現代の釣りに即した形であるということ

実は昔から延べ竿バスゲームにはちょっと違う角度から可能性を感じてまして。エサなので捨てて帰っても現地調達なら基本的に自然に悪さをしないじゃないですか。ワームだらけの釣り場、細いライン、バックラッシュや根掛かり、パッケージゴミ問題も一度に解決できるよなぁって思ってるんです。また、マナー向上を掲げても、マナーを守る気がない人には響きません。そういう人がひとりでも出れば、ゴミは出ますし、釣り禁止になっていくんです。「非喫煙者はポイ捨てはしない」という格言がありますが、「釣りをしない人は釣りゴミを捨てない」のです。釣り人のせいで水系が汚れ、釣り人が困るのなら、ゴミを捨てない人だけが釣り人になれるという逆転の方法を取らざるをえないでしょう。これが、これからの時代に即したバス釣りの形なんだと思います。ましてや害魚といわれる以上、違法放流などもってのほか。個体を徹底して管理し、拡散させない姿勢と、主体を決めて地域の漁協やクレームに対応できる組織がなければならないと考えます。

 

 

延べ竿バスクラブで釣り禁止に抗いたい

釣り禁止にはなってはいないけれど、リール禁止(キャスト禁止)、ボート禁止、ルアー禁止な釣り場というものは結構ありますよね。こういうところでバスゲームをするには、生き餌(ライブベイト)での延べ竿ゲームしかありません。

 

釣り禁止になるのはゴミ問題や私有地問題といった法的な側面もそうですが、安全面や防犯上、心情としての問題があります。特に後者の問題も無視できず、その池で誰かが溺れた場合、管理者が柵を作っていなかったせいだ、などといわれてしまうんですね。代々受け継いできた農業や治水用の池で「勝手に釣りをして死んだ」のに、その責任を負えといわれたり、そもそも人が立ち入らないようにしろですとか、耐震化工事を進めろなどといわれて多額の費用がかかるのなら、釣り禁止からの池の処分、水抜きということになっていきがちです。

 

回遊性のあるバスは案外延べ竿向き

延べ竿での釣りは、定点の釣りです。はじめたら移動しません。一方、バスは回遊性を持つ個体も多いので、決まった時間に魚道を移動します。なので、ポイントが荒れても時間をかければまた釣れはじめたりします。魚を追いかけて転々とするのもおもしろいのですが、延べ竿でやるなら、定点の釣りというものも味わってもらいたいと思います。ヘラブナをやっているなんかは昼の釣れない時間になると、大抵道具を出したまま、近所の中華屋に入っていきますよね。よーく観察してみてください。ヘラ釣り野郎どもが陣取るポイントのそばには、大抵メシ屋がありますから。カバー、ストラクチャー、水流などを厳密に考えてポイントを選ぶバサーからすると、「お前ら魚とメシ、どっちを基準にポイント選んどるんや!」なんて思ったりもしますが、ああいう釣りでもいいのです。むしろ延べ竿でやるなら、ルアーゲームとは違うスタイルを体験してみるべきです。

 

キャンプ地などでテントを張って、仲間とパラソルの下でポーカーでもしながら釣ってください。それでも十分です。アメリカなどのコイ釣りは、割とこんなスタイルです。バスでも生き餌(ライブベイト)をつけて、夕飯のオカズを釣るときはこんなもんです。やってやるぞ!なんて肩肘張ってやりません。漁としての釣り、古典の釣り、原始の釣りに近いですね。だからこそ、おもしろいところもあるわけでして、この雑な味を覚えると、病みつきになってしまうわけです。

 

あなたの近くにもいませんか? 毎日同じ漁港で同じ釣りをしているオジイさんが。あれは、雑な釣りの魅力にやられてしまった人間の末路ですよ。本当に魅力的で蠱惑的(こわくてき)で、身震いするほどおもしろいんです。雑なのに……。

 

とはいえ、そう簡単でもありません。キャストして15m先の魚を狙うのではなく、基本的にピッチングの範囲での釣りと同じですから、生き餌をつけたら、あとは静かに待つ釣りです。同時にコイや五目小物釣りの竿も出してみるといいでしょう。釣りの色彩が魚種によってどれほど異なるか、そのコントラストが鮮明になって、これまた手が震えるほどに味わい深かったりします。

 

延べバス(延べ竿バスクラブ)の愉しみ

竿選びからすでに楽しい

延べ竿というと、竹の棒一本持って行く。なんのおもしろみもないと思われがちですが、実はそうではありません。上の方ですでに「高価な道具自慢」「かっこよさなどのファッション性」などから脱却した、釣りが純粋に好きで好きで仕方のない釣り人が辿り着く型(スタイル)だといいましたが、道具に関するウンチクは語りつくせないほどあります。釣り人同士でも討論がはじまるような深みが延べ竿にはあるんです。でも、リール付きの釣りしか知らなかったり、ルアーロッドだけ振っているとまったく気づかないんですよね。まだまだ釣りには深みがあるんですね。

 

延べ竿の長短

延べ竿で一番はじめに語られるのは、長さです。ヘラブナなどは棚の深さで竿の長さを変えたりしますが、基本は同じです。ただし、バスやコイを狙うとしたら、棚と長さの関係では決められないことが多いんです。というのも、延べ竿での大物釣りはメチャメチャ引く魚を相手にします。ですので、長くて引きを受け止められるものがいいのか、短くて頑丈で強引に寄せられるものがいいのかは釣り場の状況のほか、釣り人の感性が絡んで結論は出ないんです。

これがまた、曖昧でおもしろい。

これぞ延べバスの深みです。延べコイはさらに引きますし、延べライギョになればストラクチャーやカバーに絡まれないことも考えないといけなくて、延べソウギョ、延べブダイ(海釣り)と世界を広げていくと、太平洋のような広大な深みが見えてくるんです。そうなると、リールってなんなんだろう? ということになる。次に、リールはリールを使わないとできない釣りのスタイルのためにあるんだと理解が深まります。ジャークやトゥイッチ、巻物を使うときにもその意義や価値が見えてくる。軸足をルアーゲームに置いていたとしても、むしろルアーしか知らないあなただからこそ、延べ竿での釣りは役に立つんです。

 

ちょっと話題が脱線しましたが、長竿の延べ竿を持ったとして、竿のブランクスの肉厚がバスロッドと同じだったなら、10尺竿なら一般的なバスロッドの1.5倍引きを受け流せることになります。当然重くもなりますが、キャスティングがいらないので持っているだけでいいですから、自重はそこまででもありません。この長い竿で受け流すおもしろさは9フィート近いロングロッドでもなかなか味わえないものです。もし、延べバスが一般的になって、メーカーさんなんかとタイアップできれば、20尺ライギョ(バス)なんかも出してもらいたいですね。

 

一方、短い竿だとどうか。これは棒切れのようになります。延べ竿特有のおもしろさは減りますが、バスロッドのように「キャスト」を求められない釣りなので、棒切れとなれば徹底的に棒切れでいられるのです。ちょっといってる意味がわかりませんかね。例えば、ルアーを反発力で飛ばす必要がないので、短く、硬くしてしまえば、魚に主導権を与えません。長竿の場合、私はナイロンを勧めますが、短い竿なら徹底してラインもPEにすることができます。当たった瞬間に一撃で掛けて、そのまま一気に引き寄せるパワー系な釣りが楽しめます。ダラダラやると場が荒れてしまったり、ストラクチャーに潜られる恐れがあるときは短い竿の出番です。クイックなレスポンスが楽しいので、後述しますが、舟釣りなどでは短い竿がいいかもしれません。

 

延べ竿の素材

 

カーボンがすべてではなくなるというのがおもしろいところです。アメリカのバスロッドはルアーゲームでもグラスロッドが結構ありますが、日本はカーボンばかりです。でも、延べ竿ならグラスもおもしろい。特に止水域で生き餌を使う場合、グラスロッドはそのダルさがエサの動きを制限しなくておもしろいんです。

 

残酷ですが、大きめの生き餌をつけておけば、生き餌が追われる感触がわかったりもします。大きめのブルーギルを釣って、背びれのトゲを切り、背がけにして泳がせたりすると顕著です。

 

延べバスの仕掛け

(工事中):ジグヘッド、ウキ釣り、泳がせ、いろいろあります。

延べバスのエサ・ルアー

 

このあたりが延べ竿でのバス釣りに用いるエサ・ルアーです。

 

もっと引く魚がいるのに、延べ竿でバスなんて……という意見もあるでしょう。でも、生き餌で釣るとき、コイやソウギョでは味わえないおもしろさがあるんです。バスが狙っていると、エサの動きでわかります。これがナマズだとそこまで懸命に追わなくて、ライギョも追い回しての狩りは苦手なようです。水面近くにバスたちがライブベイトを追い上げて仕留めるという一連の流れを見てしまうと、心も痛むのですが、魚達の知恵や躍動が間近に見えることで沸き起こる興奮たるや、トップウォータープラグでの釣り以上のものがあります。

 

また、バスたちがどのようにエサを見つけ、狙い、仕留めるか、一連の作業がわかるので、ルアーのアクションにも活かせます。ライブベイトで釣った者だけが知るところです。大抵のアングラーは、「マッチザベイトだ」なんていってもベイトがどういう過程で捕食されるかなんて知らんわけです。知っているのと知らないのとでは、釣りへの理解、釣果が違ってくるのは当然ですよね。

 

昔はこうした話をしてくれるバスマンがいたのですが、エサ釣りの話をするとダサい、卑怯といわれて、タイアップしているルアーメーカーなんかの商品が売れなくなるので、いつの間にかそういう話をする人はいなくなりましたし、メディアも書かなくなりました。バスを釣りたいなら、バスを深く理解しなきゃいかんでしょうに……。ファッション性に走る方がマーケティングとしては正しいことだとは思いますが、やっぱり「釣り」が好きなら、不人気になってでも釣りのことを語って欲しいですね。まあ、難しければ、私が語ります。別にどこのメーカーもメディアも後ろ盾にないので。バス「釣り」が好きな人に届けばなと思います。

 

あとは、バスをやりながらほかの魚も延べ竿でやれるので、ボウズのリスクが減ったり、いろんな釣りの形が見えたりするのもいいところですよ。小さいヘラ釣って、ヘラをエサに、とかもありですからね。

 

延べ竿だからこその注意点

延べ竿でバスを釣る、コイを釣るときに気をつけなければならないのは、走らせることができないということです。ドラグなんてないですし、そもそも糸に遊びがありません。魚に走らせてどうこうということはできないのです。となると、竿でのやりとりで勝負を決し、取り込みまで果たさなければなりません。

 

掛けたら必ず釣り上げる。上げきれない場所では釣らないことです。また、ラインも徹底的に太くし、ライギョなどを狙うならワイヤーをつけてもいいと思います。どうせ巻き上げてキャストしないので、ガイドを痛める心配もないですしね。海釣りだとラインの太さは細くしようとなりますが、これは潮に流されるからです。止水域の釣りが多い淡水の「延べバスゲーム」なら、太くして問題ありません。基準は30ポンドです。バスがバレるときは、フックが外れる、ラインが抜け切れるくらいで、破断強度に達してパチンと途中で切れてしまうような細い糸は使わないようにしてください。

 

太い糸では釣れないというなら、このゲームは向きません。というよりも、太いから釣れないなんてことはまずありません。太さが気になる、流れがあるところで釣りをするなら、PEを使って直径を少しでも減らして対応しましょう。

 

私は延べバスに関しては、太くて強い糸を使っていかに魚に「食わせるか」のゲームだと考えています。ルアーゲームはエサだと思って魚がアタックしてくることは稀ですが、このゲームはエサだと認識して食いにきます。迂闊な仕掛けをつくると飲み込まれ、簡単にラインを切られてしまうんです。外敵と認識してちょっかいをかけにくるルアーゲームでは口先だけで対応するバスが、食事だと認識して丸呑みしようとしてくるということを理解しておかないといけません。掛かる場所が悪くて、ラインを切られればその魚は死魚になります。釣って食べないなら、掛けたら必ず獲るという覚悟と準備を持って挑んでいただきたいと思います。

 

延べバスで環境も経済も守りたい

釣具屋さんで活きエサを買えば、その地域の経済が潤います。ここにポイントがあります。私は延べ竿バスクラブを通じて、遊漁券とその地域で採ってきた環境負荷の少ないエサを、釣具屋さんで買ってもらい、そこからの収益で地域経済と水系を保護できればと思っているわけです。宿泊や飲食もあれば最高です。「延べバスツーリズム」ですね。この活動が各地に広がって、淡水の船宿、フィッシングリゾートが維持、開拓されて、環境負荷の少ない形で存続してくれればと思っているところです。釣り人、釣具屋、メーカーやメディアのみなさん、自治体のご担当者様、いかがでしょう? などと営業しておきます。環境保護と地域活性は車の両輪です。どちらかが欠ければ破綻します。保護がダメなら自然が荒廃し、地域経済や人口面でダメになれば、管理できないからと釣り禁止になっていくのですから。あまり「金、金、(金庫)」とはいいたくありませんが、現実問題として必要なことなので、こうして水を差してでも述べてまいります。

 

延べバスの舟遊び

延べ竿だからこそ、平安貴族のように舟釣りが楽しめます。バスボートを駆って水系を行くのも楽しいものですが、延べ竿を持っていくならやはり木製の和船やFRPの沿岸漁業の漁師さんが使う昔ながらの船などが似合います。バスだけでなく、船上からヘラやコイを狙ったり、静かで優雅な遊びができるわけです。天気のいい日にアシ際に船を留めて編笠被って釣りをしたり、釣るでもなく釣らないでもなく、文庫本を片手に日がな一日湖の真ん中に浮いてみたりするのもおもしろいものです。

 

こうしてみると釣りがどれほど贅沢な遊びかがわかります。ガツガツとバスを釣ることやその大きさ、数、道具の良し悪しで争っていたことがバカみたいに思えるんです。一度そうした視点を持つと、また「ガツガツ」した釣りに戻ったとしても、釣り方やフィールドへの目の向け方が変わります。もっと釣れるようになるし、もっと理解も深まるんです。知らない世界を知っておくことがこんなに変化をもたらすのか、と驚くはずです。

 

都市での釣り、ファミリーフィッシングとして

釣り人口の減少を憂うのに、安全で安心な釣りという方向へ舵を切る人、メーカーはほとんど目にしません。ファッション性で広く浅く、マナーなんてどうでもいいよと金にして売ることが主眼になっているからです。まあ、個人ではダメだと思っても、企業に属した瞬間、そんなことはどうでもいいよと思うのが人間ですから、利潤追求が目的かどうかに関わらず、企業に期待するのは難しいですし、ファッション性を追求してバス釣りをしている人が業界を形成してきたのですから、当然そういう風潮になります。これでは親子で釣りなんてことにはなりようがありません。

 

そもそも釣りは危険を伴う遊びです。そこに加えてオラついて周辺住民を威圧したり、私有地や道路に違法駐車して朝から晩まで大騒ぎしたり、ゴミを捨てたりしていれば、そんな遊びを子どもに教えようとする親なんてまずいません。バス釣りを30年近く見ている私ですら、(いまの一般的なバス釣りのスタイルでは)ロクでもない親だと思うわけですから、さもありなんです。

 

だから、安全な釣り場環境と、子どもに教えたくなるような遊びに戻してやる。そうしないと、どんどん釣りへの無理解が進んで、釣りなんてなくてもいい、消えてしまってもいいとなり、遂には全国的に釣り禁止となってしまうだろうと思うわけです。同じアングラーを責めるようで大変心が痛むわけですが、スタイルを変える時期だろうと。

 

バス釣りがあるだけまだマシで、子どもの趣味から釣りが消えて久しいわけですよ。そのバス釣りすらよからぬ遊びに成り下がっては、いよいよおしまいなんです。子どもたちが仲間と連れ立ってコイやヘラを毎週末釣りに行くなんて聞かないでしょ? いよいよです。本当に。

なぜ延べ竿でバスゲームが行われてこなかったか

単純にダサいから。そして、卑怯だというイメージだけが根付いたからです。マス釣りにミミズを使うなんて「土ン百姓(どんびゃくしょう)のすることだ」とは、開高健の言ですが、まあ、そういうことです。私もそう思います。田舎者、農家さん、釣り人のスタイルへの差別性を除けば、概ねいいたいことはまとまっています。つまり、「ルアー(スプーン)」というハンデ戦をするから深みがあっておもしろいのに、エサなんてふざけたことをしてんじゃねえ、ということです。ルアーゲームをやる人間としてはそうなんですけれども、時代は流れ流れて、とにかく釣れればなんでもいい、釣りやすいルアーはどれだ、という方向へ進み過ぎました。電動ルアーだの、本物のザリガニのペーストだのを配合したワームだの、もはやエサ以上にエサです。ルアーゲームの本質からだいぶ外れてしまったのに、なぜかエサを使う奴は卑怯という部分だけ残った。まあ、ダサいという主観的な要素を補強するために「卑怯」という要素も足しておけということでしょうかね。アメリカでは普通にバスやパイクをエサで釣りますから、日本だけです。そういうのは「一切許さない」なんていうのは。

 

ファッション性に重きを置いた釣りの世界を形成してしまったからなんですね。アメリカ仕込みの舶来の遊びですから、オシャレな、ナウなヤングがやるものだとして売り込んで、そういう市場にしてしまった。だから、いまさら陣笠被って桟橋に座り、ダンゴを捏ねて置き竿を眺めろなんていえないんですよ。そんなことをいったメーカーは、アングラーに裏切られたと思われて、客が離れてしまうのが怖いから。本も、メーカーもやりたがらないし、できないんです。で、儲からない。

 

民間発祥ではじめるしかない理由

エサと延べ竿でバスゲームというと、当然儲からないので釣具メーカーは一斉に離れていきます。また、スポンサードされているプロ、雑誌も引き潮のように離れていきます。なぜって、道具が売れなくなるから。ルアーの種類ごとにロッドとリールを買ってもらい、5〜10年おきに新モデルをだして、一式買い換えてもらうビジネスモデルが破綻するからです。少なくとも延べ竿でやられると、リールは要らない。ロッドもせいぜい3〜4本で十分ということになりますし、ルアーも買い換えませんからね。これで10年遊ばれては困るわけです。だから、応援してくれません。

 

でも、この釣りがダサいとか、卑怯とか、つまらないなんてことはないんです。そういうことにしようとしているのか、そういう考えの人だけがバス業界にいるのかは全体を仔細に調査したわけではないので断言もしにくいのですが、卑怯だのダサいだのといっている人に聞いてみてください。ロクにエサ釣りもしたことがない人がほとんどですから。50オーバーのランカーを100本取っても、サビキの小アジ釣りはおもしろいですし、生シラスを塩茹でして鈴なりに提げ、五目釣りをやらかすのは楽しいですよ。やったことがないか、上記のように「ファッション性」や「道具自慢」といった、「釣りではないなにか」や「釣りのまわりにくっついている天ぷらの衣みたいなもの」が好きなだけだったりする人に、釣りの在り方を云々されるいわれもないでしょう。

 

釣りが好きなら堂々とエサで釣ってください。延べ竿を振り込んでください。あなたが歴史と文化を作ればいいんですから。

 

バスゲームが遊漁となるために

釣りはヘラにはじまり、ヘラに終わる

昔からこういわれているのに、延べ竿でバスをやろうという人はいません。おもしろいのに。おもしろいのに……などといいながら、私もルアーで釣ることが多いのでいえた義理ではないのですけれども。ただ、延べ竿だからこその深みというものがあるんです。仕掛けの工夫や、定点で釣ってキャストしないからこそ、バス以外も同時に釣れるという気軽さがあります。延べ竿での釣りでルアーフィッシングにも深みが増すこともありますので、ぜひとも検討してみてください。

 

バス釣りを遊漁としてのゲームフィッシュに

いま、最大の問題となっているのが、バスゲームのフィールドの減少であることはいうまでもないところだと思います。どの釣り人も、ライターも、口を揃えて釣り禁止と害魚論による排除に頭を悩ませていると語ります。

 

延べ竿によるゲームフィッシングが確立されれば、ヘラブナ同様に自然の環境をそのまま用いた半管理釣り場のようなものも可能でしょう。遊漁権を確立したり、会員制の池にすれば安全面やゴミ問題も大きく前進するでしょう。

 

もしみなさんがこういう取り組みをしている、知っている、準備しているなら、私に教えてください。全国的にこの運動を広め、バス禁止にとどまらず、釣りという趣味全体が禁止になることのないよう、取り組んでいきたいと考えています。