テクニック

ルアーフィッシングにバイトは適さない

私はかねがね、ルアーフィッシングにはバイトという言葉が適さないと感じております。日本語にすると「アタリ」になるのですが、バイトは元々「噛みつく」という意味です。しかし、ルアーゲーム、ことバスゲームにおいては噛みつかないアタリが相当数あるわけです。

リアクションバイトについて

例えばミノーでの釣り。ボーマーのロングAを水深50cm程度でジャーキングしていると、ロッドは元より、ラインにも出ないアタリが起こります。これはバスがルアーを口にしているのではなく、体当たりをぶちかましてきた場合に発生するのですが、得てして多くの釣り人がこのアタリをとれずにいます。私はミノーで釣りをしていると、10本掛ければ2本は外掛かり。明らかに捕食ではない形で魚が掛かるのです。

 

バイト(噛みつき)じゃないものはアタリじゃない。バイト以外にアタリはない。そういった先入観が、釣りの幅を狭めていると感じます。食べられるものだと認識してルアーに食いついてくるもの以外は正式なアタリとは認めない。といった向きもありますが、だったらエサ釣りをすればいい。そもそもルアーゲームというものが、エサではないものに興味を持ってくれる珍しい魚を相手に行うものなのですから、エサと勘違いさせることに心血を注ぐのは本来のルアーゲームの趣旨から離れ、エサ釣りに寄せていっていることに気づいて欲しいのです。

 

マグロやシイラ、カジキなどはナブラの中にミノーを流して、エサだと勘違いさせて釣るという方法が一般的なものとして存在しますが、バスゲームではそうそう起こりません。また、このような釣りでさえ、単純にエサと間違わせて食わせようというものではなく、大量のベイトの中で目立たせることでアタリを生み出すというテクニックです。妙な動きをするヤツ、妙な色のヤツは、自然界では生き残れません。病気や怪我をしているベイト、群れから離れたベイトが真っ先に狙われるという、自然界の常識を逆手にとったものなんですね。

 

長々と書きましたが、私がルアーフィッシングにバイトが不適だというのは、ルアーをエサだと思わない(外敵や好奇心による攻撃)こともあるというのが第一の理由。次に、バイトはエサ釣りのような待ちの釣りの色彩があり、ルアーをキャストし、試行錯誤しながらアタリを「作り出す」ルアーゲームには不適だと感じるのが第二の理由です。

 

なにも私個人の好みでバイトという言葉を使うなといっているわけではありません。そもそも論として、アメリカではバイトといわずに、ストライクということが多いようです。ストライクは皆さまもご存じのとおり、打撃、攻撃の意味です。アメリカではバスが攻撃してくると認識して、ストライクというんですね。よくよく考えてみれば、日本語の「アタリ」だってそうでしょう。「今、当たったな」と書けば、魚が攻撃を仕掛けてきたとも読めますよね。

 

バイトについては、妙に英語を取り入れたばかりにルアーゲームの本質、本道がねじ曲がってしまった代表的な例だと思います。この他にも日本語英語化してしまい、本来の意味から離れてしまった用語が幾つかあります。次回はバスフィッシングでバイトとセットで使われることの多い、あの言葉について述べてみたいと思います。

 

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 ミノーの話題を出しましたので、春先に楽しいショートロッド(ジャーキングロッド)と、私が特に春先の低活性時にトゥイッチで使うラトリンログと、スポーニングからの回復期にジャーキングで使うロングAの14Aをご紹介いたします。低活性時にキックバックアクションをさせることで同じ場所で粘れるラトリンログは大きめに。活性が戻ってきて活発に捕食がはじまれば小さめでキレのある動きで追わせるというのが春のミノーの定石ですね。

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